春はきゃべつ
2016年 06月 18日
春はきゃべつ
春はきゃべつ。やうやう甘くなりゆく内葉、いとやわらかく、緑だちたる葉脈の透き通りし巻ゐしロールキャベツを、滴る汁ともにしとやかに食ぶるがよし。
夏は西瓜。真夏日のころはさらなり、梅雨もなほ、店にここら並んづ。また、ただ一つ二つなど、冷麺に入りたりもをかし。おもながることなく、早食ひ競争などするもおすすめす。
秋は秋刀魚。塩焼きし醤油のはじけて脂のいとジューシーなりたるに、箸が白米へ行くとて、三口四口、二口三口など食べ急ぐさへあはれなり。刺身にて、生姜、葱など、はた言ふべきにあらず。 まいて紫蘇や梅などを挟みて揚げたるが、口腔内に拡がるは、もはや感無量なり。
冬は大根。ふろふきの言ふべきにもあらず、おでんのいとやわらかきも、またさらでも出汁が染み込んなりに、辛子など急ぎチューブより絞りて、箸持て割るも、いとつきづきし。煮崩れして、なるとなく残されぬと、鍋の出汁も、白く濁りがちになりてわろし。
by torico05
| 2016-06-18 01:05
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